宝塚ひとこと日記

宝塚について、簡潔明瞭に

宝塚花組「MESSIAH」スカステ観賞

とっても面白かった!!

自分の力で全てを手に入れてきた四郎と、神を祈りその教えを守ることを圧政に耐える為の拠り所としている天草の民を対比することで、この物語が伝えたい(と、私が感じた)ことがより鮮やかに浮かび上がっている。

倭寇として、人のものを奪いながら生きてきた四郎。

理不尽に全てを奪われながらも、神を信じ、人に与えようとする天草のひとたち。

そして、その理不尽さを是正したいと思いながらも、「国」を守る為に動かざるを得ない幕府の良心ある人々。

この三本柱があるからこそ、「神は皆の中にいる」という四郎の言葉が、綺麗事ではなく現実だと感じられたのです。

特に私が印象に残ったのが、れいちゃん、マイティ、あかさん。このお三方は、辛抱役だったと思います。だけれど、みりおさまがこの作品の中で「陽」だとすれば、この三人の「陰」があったからこそ、より重厚さが増したと思うのです。れいちゃんは、私の中で新境地。リノがめちゃくちゃ良かった!!

れいちゃんはとてつもない華があるので、まあ、私の中では世界は俺中心に回っているぜ、という方なのですよ。それが、いつも何かをこらえ、みりお四郎さんが作る影の中にすっぽり覆い被されてしまったリノが、とてつもなく良かった!!

あとは、あかさん鈴木ですよ。そうですよ、惚れますよ。初登場シーンから、物事を冷静に理詰めで考えることの出来る賢さと、ただのイエスマンではないところを見せつける鈴木。矢文で、リノの行動の真意を伝える鈴木。鈴木、はらいそをみたの…?と、問いかけたくなる鈴木。自らの危険を省みず、リノの絵を大切に持ちかえる鈴木。

素晴らしすぎるよ、鈴木!!!!!

そんな鈴木だから、天草の民と一緒に、はらいそを見られる権利を有していたのかもしれない。立場は違うかもしれないけれど、マイティとあかさんの中にも、神はいたのだ。

ただ、天草の民はその神をまっすぐに信じることが出来た。だけれど、幕府という体制に組み込まれていたマイティとあかさんは、その神の本当の気持ちとは異なる行動を、せざるを得なかった。だから、あかさん鈴木は、絵を持ち帰ったのかもしれない。自分の許される範囲で、自分の中の神が感じた事を行う為に。それがれいちゃんに伝わり、みりおさまの意志を実現する一歩になる。

鈴木、流石だな。(鈴木にたいしては、もう全てがOKになっている)

 

あかさんは、ひとこちゃんとのゆるりふんわりを見ていて、素敵なジェンヌさんだなあと思っていました。そして、鈴木です。星組さんに組がえです。…沼かな…、あかさん沼なのかな…?

まずは、せおっちバウが見たいです。美しい。せおっちくらっちの並びは、国宝だな。あ、あとせおっちあかさんの並びも、めちゃくちゃ素晴らしいと思います!