宝塚ひとこと日記

宝塚について、簡潔明瞭に

神々の土地 2017年 宙組

 豪華な額縁の中で繰り広げられる、ひとつの時代のおわりとはじまり。こんな世界を描き出す事に携われたひとたちは幸せだろうと、そんなことを思いました。

 ライビュで、二回目の本公観劇。よく、「役として生きる」という言葉を聞きますが、まあさまドミトリーをみて、はじめてその意味が実感出来ました。初回観劇時と、印象がぐるりと変わったのは、ドミトリー、ゆりかちゃんフェリックス、まどかちゃんオリガ。皆さん、台詞とその後ろにある本当の感情がちがうから、単純な私は一度では、それが分からなかった。だけど、それが読み取れると、このお芝居、すっごいな…と、もう尊敬しかない。フェリックスも、最初は、いけめんだがよくわからないな…と思っていたのですが、どこだっけ?一瞬、このひとは全てドミトリーの為に動いていて、それを悟られるのを隠したがっているんだ、という事が伝わってくるところがあって、もう感情をゆさぶられました。オリガも、ほんと分からなかったんです。最後のアレクサンドラとのシーンも、調子の良いことばかり言っちゃって、と。だけど、いくら国民から批判されようと、ニコライとアレクサンドラは、彼女の両親です。そしてドミトリーも、大切な人間。その両者を助ける為には、彼女にとってあれが、あれだけが取る事の出来た最善策だった。そんな聡明なオリガだからこそ、アレクサンドラの言葉に、自分たちの行く末を覚悟したのでしょう。愛情と諦観が入り混じったオリガの最後の台詞は、すごいなと思いました。

 まあさまドミトリーと、うららさまイリナは、もうね、美しい。姿もだけど、台詞も醸し出す雰囲気も全てが。なんか、お互いがお互いに片思いしていて、周囲にはばればれなのに、当の本人たちだけが必死になって隠している感じが、素晴らしくときめきました。だいすきです(告白)。なんとなく個人的に感じる、まあさまうららさまコンビのイメージが、それなんです。お互いがお互いに片思い。主演男役、主演娘役と、公式には記載されなかったお二人ですが、私の中では片思いコンビとして、永遠の存在になると思います。まあさまも、うららさまも、本当にだいすきでした。私は今、こうして宝塚の舞台を観劇出来ることを、本当に幸せだと思います。

 そして、安定のりんきらさんと、愛ちゃんの素晴らしさね! お二人が登場するたびに鳥肌ね! 私、アレクサンドラとラスプーチンのFC会員なのか? だってしょうがない。りんきらさんの、ベールに覆われた棘のついたままの薔薇のような痛々しい美しさよ…。あれは、しょうがない。りんきらさんを、アレクサンドラに配した方々に、心からの感謝を。


 あと、ショーで、うららさまの高笑いと、蔑んだような美しい微笑を見せて下さって、本当にありがとうございます。うららさまの高笑いは、至上だと思います。あと、まあさまに宝塚の入り方を啓示してくれた佐賀新聞さんの素敵さね。 まあさまの舞台を私たちが観劇出来たのは、夢乃さんの記事を載せてくれた佐賀新聞さんがあってこそ。いくつもの小さな奇跡が重なって、まあさま率いる宙組さんの舞台を観劇出来たこと。本当に、本当に幸せでした。ご卒業された皆様のこれからの道も、素晴らしいものでありますように。