似非落語にも、ほどがある
「師匠、聞いておくんなせえ。えらいこっちゃ」
「どうしたんだい、そんなにあわてて」
「いえね、今、えらい別嬪さんふたりが話してたんですけどね、おあーさんが赤い頭巾をかぶり、お紅さんが岡っ引きになった上に、美人鼠小僧を捕まえるって話じゃないですか。こんな幸せなことが、あっていいんですかい⁈」
「そりゃあ、あのよしまさ殿がやるというのだから、有難く頂戴すれば良いだろう」
「あっしはもう、よしまさ殿に足を向けて眠れませんよ…。あっしは…あっしは、今日まで生きてきて本当に良かった…‼︎」
「お前さん、急に異国のひとになるもんじゃないよ」